憧れの背中と脊柱起立筋

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バレエへの憧れは

ポーズへの憧れだった

アラベスク

アチチュード

 

特に柔軟な背中と長い首のポージングは

美しさの象徴だと思っていた

 

ただ

私の背中は板のように硬く

腰の強さで補うものの

うやったら後ろに足が上がるのか

さっぱり分からなかった

 

Kayaメソッドのオンラインストレッチを

2年ほど続けてようやく

自分の身体の硬さは

背中だけではなく

身体の側面にも及ぶことが分かった

 

脚が上がる以前に

安定して真っ直ぐ立てないのは

当然だった

 

身体のパーツが緩んで

繋がりができて

身体の中心を繋ぐ意識を持てるようになった

 

そうなってから

オンラインのポアント(トウシューズ)クラスを

受けていた時のことだった

 

 

妙に背中あたりで凝る筋肉があり

気になって手で触って

確かめてみた

 

それは場所から考えて

「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」だった

 

今まで私の身体の中で背中は

板のように見え

感覚はただの筋肉の塊でしかなく

背筋を伸ばしたり真っ直ぐ立つのに

とても重要な筋肉ということは

知識で持っていた

 

ただ

「伸ばして使いましょう」と言われても

伸ばすことも

縮めることも出来なかった

 

呼びかけでも

うんとも

すんとも答えない

そんな筋肉だった

 

はじめ自分の中心の繋がりが正しいこと

そして

脊柱起立筋が使えていることが分かって

本当に嬉しくて泣いた

 

それは正しい使い方が出来た喜びだけでなく

「通じた」喜びだった

 

例えていうなら

憧れの人に

ずっと挨拶し続けているのに

挨拶が返ってこない

こちらを向いてさえくれない

 

ずっとそんな状態だったのが

 

ある日

笑顔で「おはよう!」と返事を

返してもらって

嬉しくなる気持ちに似ていた

 

身体を正しく使えたり

美しいポーズが出来るようになることなど

本当は二の次で

自分の身体の本来の感覚に

繋がることの歓びなんだと思った

 

人は本当は自分と深く繋がって

本当の自分の感覚を感じたいと

心から願っているのかもしれない

 

私は自分の身体を通じてなんだと思う