死んでお空の星になる

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亡くなった人のことを
子供に向かって

 

「お星さまになったんだよ」

 

と説明する場面を

ドラマで観たことがある


私はてっきり
子供だましのセリフだと
思っていた


先日
母が亡くなった

容体が急変したので
急いで駆けつけはしたが
最後の呼吸を看取ることは
できなかった


しかし
病院に急ぐタクシーの中で
ふと呼ばれた気がして
空を見上げると

きれいな雲が泳いでいる
空いっぱいに
母の存在が広がっているのを
感じたのだ

 

ああ
逝ったのだな・・・


そのとき
母が肉体から離れたことを
知った

 

なぜか別の場所から駆け付けた
弟と同時に病室に入ることになった


母の采配だったのかも知れない


「あなた達のことを、平等に扱っていますよ」

そんな感じがした。

私の独りよがりな
意味づけだけど


なぜなら私は

母がずっと私より
末っ子の弟の事を
可愛がっているように
思ってきたからだ

 

 

亡くなって
20分くらいしてから
私たちは到着したのだが

看護師さんから伺うと
母は
静かに、穏やかに
逝ったそうだ

 

さんざん家族を振り回した挙句

最後のあいさつもすることなく

自分のタイミングで

機嫌よく行ってしまうなんて

母らしいと思った

 

 

なぜか今は
感謝しかない気がする
昔はこの言葉が気持ち悪くて
仕方がなかったが

今の気持ちを表現すると
それしか思い当たらない

 


母は肉体から去ってしまったが
その存在は私の中にある


空いっぱいに広がった母の存在

空は私の意識の反映

そして
母はそこにいる


そう
あの話は本当だった

母は空の星になったのだ